膝痛が起こりやすい要因
筋肉・代謝の衰え
筋力の衰えや代謝の低下が起こると、関節の痛みや節々の痛みなどの問題に直面することになります。日ごろから運動をする習慣がある方は、適度に筋肉に負荷がかけられており、筋力の低下を防ぐことができ、代謝の低下も防ぐことになります。しかし、日ごろから運動をしない方は、筋力が徐々に低下し、関節周辺に対して負担がかかってしまうことで痛みなどが出ることが考えられます。運動不足の方が重いものを持ったり、急激な負荷をかけてしまうと慢性的な痛みとなる場合もあります。筋力の衰えや代謝の低下を防止するためには、普段から少しずつ運動をする習慣をつけていき、適度に鍛えることで全身にバランス良く筋肉をつけることが大切です。
軟骨成分の減少
現在、変形性膝関節症で治療を受けている人は日本全国で約1000万人、X線検査の所見で変形性膝関節症と診断される人は約3000万人にも上ります。重症化してしまうと歩くことが困難となり、将来寝たきりになってしまうことから、この病気の予防対策は強化しなければいけません。
膝の関節は、太ももの骨とすねの骨、膝にあるお皿が組み合わさってできています。太ももの骨とすねの骨の端は、骨がぶつかり合わないように関節軟骨で覆われていて、骨の間には軟骨成分の半月板という組織があります。これは、クッションの役割をしている重要な軟骨です。また、関節液で満たされ、酸素や栄養を摂り込んでいます。普段の生活がスムーズにできるのは、この膝の関節部分が正常に機能しているからです。
しかし、加齢や体重の増加などで負担が掛かり続けると、関節軟骨や半月板がすり減ってクッションの代わりとなるものが無くなっていくので、膝関節の変性が進みます。軟骨成分の減少は、すり減った軟骨のかけらが関節液に混じり、炎症を起こして痛みが出るのです。
運動不足
日常生活で膝が痛む方は、できるだけ運動したくないというのが本音でしょう。しかし、筋肉は使わないでいると、やせ衰えて萎縮して消滅していきます。さらに、運動不足の状態が長引くと膝以外の場所、腰や股関節など他の部位にも悪影響となってしまいます。運動不足から、筋力が衰えて膝関節周辺をサポートすることができずに痛みを出している場合があります。
家でもできる、関節の柔軟性を回復させるストレッチやハーフスクワットなどの筋力トレーニングなどの適切な運動には、すぐれた治療効果があるといわれています。運動不足を解消することは節々の痛みの軽減につながるのです。